不確実な未来と向き合って経験したこと

今年は多事にかまけて更新していなかった… 先ごろ、比較的大きなリリースを終えたので感想を残しておく。

自社で開発しているプロダクトにおいて、ユーザ体験を向上させる機能開発を行った。 プロダクトオーナーの纏めた要件を元に設計に落とし込んだのは夏頃。マイクロサービスアーキテクチャによるサービス分割を推進していることもあり、既存のコードベースとは別にサービスを立ち上げて開発を進めていった。

良い設計は、様々な判断を後ろにずらすことができると考えている。またソフトウェアに柔軟さを持たせることができるし、要求の追加や変更にも耐えやすい。 また、Agileで開発を行っているのだが、こちらも同じような考え方がある。知られた話だが、まずはミニマムの価値あるプロダクトを作り、触って、良くしていくことができる。

COVID-19 の影響により、ビジネスを支援する自社のプロダクトの需要は急激に高まり、また多くの要望も届くようになった。幸いなことに、ビジネスサイド(この言い方はあまり好きではないが)の方々によりスクリーニングされているため開発時に心配することは少ないが、それでも方向転換や優先度の変更は当然あり得る。

いま内省することは、途中参加のメンバーにこういった意図や狙いをうまく伝えることができなかったのかもしれない、ということだ。 とりわけ途中から参加したメンバーは、曖昧に感じたことが多々あったのだと思う。 背景、考えられる要素、考えなくてよい要素、それらを踏まえてみんなで議論する機会を、途中でも設けるべきだった。走り始めていると、なかなか難しい。

また設計も、今回は良い設計ができたとは言えないのだが、柔軟さや余白を残しつつバランスを取り、開発者が不安になることのない設計をすることがアーキテクトとしての価値なのだろうと感じた。

レトロスペクティブで様々な意見や改善案が出たのも良かった。 しっかりとコトに向かって、これからもプロダクトを良くしていきたい